俺様編集者に翻弄されています!
第四章 見失っていたもの

Chapter1

 ―――翌日。


 悠里は挙動不審な動きをしながら、新宿にあるデパートの化粧品売り場で行ったり来たりしていた。


 氷室との約束の時間まであと五時間程度余裕がある。

新しい化粧品を揃えて、少しは整えて行くべきだろうと、早めに新宿に出てきた。

(今まで干物だった私が、急にお洒落しようなんて無茶ぶりだったのかも……)

 数年前の流行りのスカートを慌ててアイロンがけして、滅多につけないコンタクトをしてきた。靴もスニーカーではなく、買って数回しか履いたことのないパンプスだった。


 使い慣れていないコンタクトのせいで、目に違和感を覚えて心地悪かった。さらにスカートを穿いてきたため、心もとない足が不快でもあった。

(あ~なんか目がゴロゴロするし、足はスースーするし!)
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