俺様編集者に翻弄されています!
悠里はホッと胸をなでおろしたが、スクリーンに繰り広げられているシーンは、R指定の濡れ場の真っ最中だった。そして、主人公の裸体の上で相手の男が肌を舐め回している。
悠里の隣りに座っている男性は、横に彼女がいるにもかかわらず鼻息が荒くなっていた。
(ひゃぁぁ~~、ど、どうしよう……なんか、自分で書いておきながらこのシーン、気まずい……)
子供の頃、親と観ていた純愛ドラマで、キスシーンが出てきた時に妙に落ち着かなかったのを思い出した。今思うと、その時の心境になんとなく似ている。そんなことを思いながら、悠里はそっと横目で氷室の様子を窺った。
氷室は頬杖をつきながら足を組んで、始まった時とほぼ変わらない体勢で平然と映画を観ていた。
(恥かしい! でもこれは自分の作品だし……でも氷室さんが隣にいるって思うと、やっぱり恥ずかしいぃ! いやいや、こんなこと考えてる場合じゃないよ……)
悠里は首を振ったり、拳をギュッと膝の上で握り締めたり、ソワソワしながら濡れ場のシーンを俯きながらやりすごした。全身が熱くて、まるで暖房が入っているようだった。
(あぁ……私、なに一人で意識してるんだろ、喉渇いた! そうだ、飲み物―――)
落ち着きのなさを氷室に悟られないよう、悠里がホルダーの飲み物に手を伸ばしたその時―――。
悠里の隣りに座っている男性は、横に彼女がいるにもかかわらず鼻息が荒くなっていた。
(ひゃぁぁ~~、ど、どうしよう……なんか、自分で書いておきながらこのシーン、気まずい……)
子供の頃、親と観ていた純愛ドラマで、キスシーンが出てきた時に妙に落ち着かなかったのを思い出した。今思うと、その時の心境になんとなく似ている。そんなことを思いながら、悠里はそっと横目で氷室の様子を窺った。
氷室は頬杖をつきながら足を組んで、始まった時とほぼ変わらない体勢で平然と映画を観ていた。
(恥かしい! でもこれは自分の作品だし……でも氷室さんが隣にいるって思うと、やっぱり恥ずかしいぃ! いやいや、こんなこと考えてる場合じゃないよ……)
悠里は首を振ったり、拳をギュッと膝の上で握り締めたり、ソワソワしながら濡れ場のシーンを俯きながらやりすごした。全身が熱くて、まるで暖房が入っているようだった。
(あぁ……私、なに一人で意識してるんだろ、喉渇いた! そうだ、飲み物―――)
落ち着きのなさを氷室に悟られないよう、悠里がホルダーの飲み物に手を伸ばしたその時―――。