紅 × 蒼
「なぁなぁ、知ってるかーー!?」
「うわっ、アイツらまた喧嘩したらしいぜ? よくやるよな?」
「よーやるよーやる!」
廊下にいても聞こえる2-Eの教室のうるささ。
「本当にこんな中に蒼がいるのかしらね・・・。」
大人しかった蒼がこの中にいるとは到底思えないけれど。
理事長の言葉を信じてみよう。
ドアの取っ手に手を掛け、いっきにドアを開けた。
「・・・・。」
途端に静かになる教室。
中は案の定、カラフル頭の不良達。
着崩した制服の下からは、派手な色のTシャツが見えている。
「だ、誰だよお前。」
一人の金髪少年が怯えながらも話しかけて来る。
でも、それは無視。
私の足は自分の意志とは関係無く『あの子』の元へと向かって行ってた。
やっと会えた、あの子に。