紅 × 蒼
side by KOU
「・・・ま、・・・いよ。」
声がする。遠くから聞こえる声じゃなくて、近くから。
「ん? こいつ起きそうだぞ。」
ゆっくり、瞼をあける。
「・・・・。」
視界いっぱいに広がるのは、黒で統一された部屋。
そして、その中にいる男達。
私が殴った金髪や、私を気絶させたチビ男もいる。
「起きたか。」
声の方へ向く。
そこには案の定、藤宮が居座っていた。
「蒼は?」
彼の言葉を無視して、私は問いかける。
「まだ、寝ちゃってますよ~。」
たばこをふかしながら、オレンジの髪の男が答える。
「そう・・・・。」
蒼を連れて帰ろうと思い、立ち上がろうとした時
「・・・・何者なんだ、お前は。」
しんと、静まる。
この場にいる全員が私を見る。
・・・息苦しいこと。