紅 × 蒼
本宅
黒から逃げよう。
あそこは危ない。
ゆっくりと瞼を開く。
差し込んできたのは強烈な朝日。そして
「起きたの?」
私と同じ顔をした私の姉、紅。
キッチリとしたロングの髪型に、すらっとしたスタイル。どこからどう見ても美人なのに、目は死んだように生気がない。
「紅……。」
紅は変わってしまった。
私が消えたせいで、もっとおかしくなった。
「蒼…? どうしたの?」
それでも、私を見る目は優しいまま。
「龍華は?」
ハッと気づいた。
そうだ、私学校で倒れたのになんでここにいるの…?
「龍華には、もう行ってはダメだ。」
紅が淡々と告げる。
「どういうこと…?」
「そのまんまの意味だ。」
龍華の皆には…もう会えない?
「しばらく考えておけ。お前は天王寺組の娘だ。」
光が見えなくなった。