紅 × 蒼
見出せない少女
side by MIKADO
「帝、もう今日は休みな。」
隣にいる加暖が声をかけてくる。
蒼が居なくなってから、俺らは寝る間も惜しんで蒼を探している。
下の奴らが頑張ってんのに俺だけ寝ていられるわけない。
「大丈夫だ。それより哉汰は・・・?」
俺の問いかけに、加暖は顔をゆがめる。
「・・・ボロボロだよ。今は幹部室で寝ているけれど。起きた時が厄介だろうな。」
「そうか・・・。」
あの女、紅のまいた睡眠粉からいち早く目覚めたのは哉汰だった。
俺らが起きた頃には哉汰の姿は消えてきて、状況を把握するにはじゅうぶんだった。
きっと、蒼とあの双子の紅を探しにいったんだ。
そして、案の定哉太はボロボロになって帰ってきた。