紅 × 蒼
「お前、誰だ?転校生? 聞いてないぜ。何年だよ? 三年だったら編入はやめといたがいいぜ。 この高校って聞いただけで入試でイメージダウンだ。」
さっきまでの警戒オーラはどこに行ったのか、一人で話を進める理事長。
受験に関わるからやめといたがいいって、随分正直なのね。
「違います。聞きたい事があって。」
顔色1つ変えず、淡々と話す私を理事長は探る様な目で見つめる。
「てことは、お前は他校の生徒か?」
「学校には行っていません」
「なんか訳ありか? 話してみろよ」
「聞きたい事があります。」
どうやら私は理事長の目には可哀想な人の様に見えるらしい。
何でこんなに人の話を聞かない奴が理事長のかしら。
「お・・意外と強気な。 まぁ、何だよ、聞きたい事って。」
「龍華(りゅうか)という族をご存じですよね?」
私の声は、理事長室に静かに響く。
龍華(りゅうか)
創立してわずか1年で全国トップ2に上りつめた、周りからは最強と呼ばれている族。
クスリや強姦、凶器などには手を付けず、謎に包まれている。
そして、現在の総長は二代目で、初代総長は左腕に青色のブレスレットを身に付けている。