抱いてください…!【甘きゅん短編】
優しい声色に
思わず真っ赤な顔をそっと上げると、
「あいた……っ!」
真っ赤な顔だった俊也くんにデコピンされる。
「うぅ〜〜…」
唸って、涙ぐみながら睨むも、
俊也くんの笑顔に誤魔化される。
「だけど、お前ってやつは、
バレンタインにも俺の誕生日にもなんもくれないし」
そう言いつつ拗ねたように唇を尖らす。
いつも見せない表情に、思わずふふっと笑い声を漏らすと、
不服そうな俊也くんに睨まれ、慌てて腕を横に振る。