美しく咲き誇る
文久三年九月十三日新見 錦切腹
局中法度を破ったことでだそうだ
私は新見さんのお葬式で新見さんとの思い出をなんとなく振り返った
『本当、チッコイのぉ』
『はは、お前は入れた茶はうまいな』
『私は一生、芹沢さんについて行く』
『コラ!何度も言わせるな!!』
褒めてくれた時も意地悪な時も怒る時も新見さんの決意を聞いた時も
全部、全部、新見さんで、
私は煙になり空に上る新見さんに呟いた
「ありがとうございました」
頬を伝う涙は不思議と冷たくはなかった
さぁ、
ここからが本当の悲しみとなるだろう…