ミラーズ
部屋に入るとそこには大量の書物や椅子がところせましと並べられ、まるで図書館の様だった。

「京多…!」

振り向くと、私服(?)姿のアルビェルが立っていた。明らかに怪我をしていた。

「おい!大丈夫か?何でそんなキズ!?」

「カハッ…すまぬ…やはり奴に割れていた…早く逃げ…」

ドガッ!
入り口のドアが蹴破られ、埃が舞った。

「あらァ?アンタが京多ァ?なかなかのオトコじゃなァい?悪いけど私に着いてきてもらうわよォ?」

目の前に立っていたのは、赤い髪を持ち、切れ長の大きな瞳で指にナイフを挟んだ妖艶な雰囲気の女性だった。
ただ1つ人間じゃないと分かったのは背中の禍々しい翼である。

「お前…コイツに何を!?」

「私ィ…このコの血が必要なのよォ だからちょっと切り刻んで頂いてやろうって寸法!」

「京多…逃げるのじゃ…儂も生きるから…後で追い付くから…」

俺は一心不乱に走った。赤髪は追いかけてこない。やはりアルビェルが目的だからか?
1キロほど走った先にあった建物に駆け込んだ。
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