And then? 【TABOO】
あれから一ヶ月。
時間は午前2時を差している。
節電で極力明かりを落とした夜のオフィス。
「それで?」
彼は明日締め切りの企画書を手に、まるで挨拶のように聞いてくる。
それは「お疲れ様です」と言う気軽さで。
「だから言ったでしょう?私には彼が居るって。
あれはたった一度の過ち。忘れて」
バサッ
書類をテーブルに放り投げると、彼はすぐ隣のデスクで頬杖をついてにこやかに笑っていた。
「先輩は真面目だな。
疲れない?」