And then? 【TABOO】


彼の手が伸びてきて私の纏め上げた髪に触れる。


「触らないで」


その手から逃れるように身をよじらせるが、彼の手は私の髪から離れずに髪を纏め上げていたクリップを奪っていった。


パサッ


髪が肩に落ちて、蛍光灯に浮かび上がる彼の顔から顔を背けた。


「ふざけてないで早く仕上げちゃいましょう?もう遅いし」


私が言うと、後輩は何が楽しいのかくっと喉の奥で笑って、


「真面目だなぁ」とまたも一言。


「あのねぇ…仕事でしょ…!」


言いかけた唇にそっと指を押しあてられる。



「もう提出済み。


バックアップ削除して泣きついたの、あれ



俺の演技だから」





後輩はUSBメモリを翳してにやり。


は―――…?






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