放課後のキス、恋の始まり。
―――パタン
日誌を閉じて、シャーペンをケースにしまう。
早く帰りたい……
そんな想いが先行して、私は勢い良く席を立った。
ガタン、と椅子が後ろの机にぶつかって大きな音が鳴る。
私は下がりきらなかった椅子に足を取られて、バランスを崩してしまう。
「きゃっ……」
「ばかやろ―――……っ」
さっきより、少しだけ焦ったような久世くんの声が聞こえて……
間もなくして私は―――
私たちは教室のアイボリー色の床に倒れこんだ。