放課後のキス、恋の始まり。
「カフェ―――……?」
少し俯いていた顔を上げてみると、
そこには小さいけど白くて可愛い雰囲気のカフェがあった。
コーヒーの香りがふわりと鼻をくすぐる。
「そ。ケーキとか、好き?」
そう言った久世くんは少しだけ屈んで、私に目線を合わせてくれて居るみたい。
……それでも久世くんの方が、少し目線が高いけど。
「うん、まあ……」
甘いものは、大好きです。
と、ぶっきらぼうに答えた。
「じゃあ、入ろ」
そうそっけなく言って、久世くんは繋いだままの手を軽く引いて、お店の中に入った。