腐女子、恋愛のススメ~ケースバイ・ミキ~
ひとしきり泣いて少しだけ落ち着いたとき、暗い体育館倉庫が怖くなって外に出た。
傘なんかどっかに行っちゃってたし、そのまま帰るしかなくって。
あたしは雨に濡れることにした。
冷たい雨に打たれたら、少しは綺麗になるかと思ったのに。
家に着く頃、全身が冷え切ってずぶ濡れだったけど、あたしは真っ直ぐ部屋に向かった。
そしていつも通りパソコンを起動する。
暗い部屋に浮かび上がるのは、絶対的な笑顔の二人。
「ただいま」
涙声でつぶやくと、画面の中の二人はやっぱり微笑みかけてくれた。
ああ、あたしの居場所はここだ。