僕が男になった理由



 「俺は、琉依先輩となら付き合えなくても構いません」


 「冬麻…」


 「一緒に居れるならそれで構わないんです」


 「でもそれじゃ…」


 「だけど…先輩が俺を嫌いなら一緒に居られない」

 「何でだよ…」


 「琉依先輩を傷付けることになるから」


 「…そんな…」


 「だから…はっきり言ってください」



 冬麻の腕が微かに震えていた。



 すでに僕の世界観の一部になっていた冬麻。



 僕の居場所の一部になっていた。



 いくら突き放しても。



 いくら邪険にしても。



 ふふって笑いながら僕の側に居てくれる冬麻が…





 いなくなる?






 そんなの嫌だ










.
< 21 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop