僕が男になった理由



 そんな時だったんだ。



 僕が冬麻を傷付けるきっかけを作ったのは。



 本当に偶然。



 だけど



 その時には僕はわかってなかったんだ。



 傷付けるなんて。



 二人の首に下がったイルカだけがこのあとの僕と冬麻を繋いでた。



 何も知らずに優雅に揺れて光ってた。



 冬麻と僕は、
 恋人じゃない。



 だけど



 恋人以上の



 すごく大事な男の子。



 「琉依〜!スーパー行くんでしょ〜?」


 「あ、忘れてた」


 「琉依らしくないなぁ」


 「ネックレスのせいだ」











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