僕が男になった理由



 「琉依!」



 驚きと共に現在に引き戻された僕は病室の扉に目を向けた。



 「琉依!」



 もう一度大声で僕の名前を呼んだのは



 「…冬…麻」



 紛れもなく冬麻だったんだ。



 冬麻はゆっくり僕に近付くとふわりと包む様に抱き締めた。



 相変わらずムスクの様な甘い香りをさせて。



 約束の銀色のネックレスも首から下げて。



 「琉依…俺すっげー心配した…」


 「冬麻…お前何でここがわかった…」


 「俺言ったじゃん…琉依の居る場所なら何処に居ても絶対にわかるって」


 「言われた覚えないんだけど」


 「そうだっけ?でも俺は琉依のことならわかるから」













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