僕が男になった理由



 「ホントかよ…まぁいいや」


 「琉依…翼さんのこと」


 「…冬麻までその名前僕に言うんだな」


 「え?」


 「僕、覚えてないんだ」


 「翼さん…を?」


 「そうだよ」


 「…そっか…じゃあ琉依、イルカは覚えてる?」


 「覚えてるさ、今も付けてるわけだし」


 「じゃあヒールが折れたのは?」


 「それも覚えてる」


 「じゃあ…その時助けてくれた店員さんの顔は?」



 …店員の顔?



 そう言えばさっき思い出してた時に僕を助けてくれた人が居たな



 「顔は覚えてない」


 「名前は?」


 「…思い出せない」
















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