僕が男になった理由
仕度を済ませナースセンターに向かう。
冬麻は何やら重たそうな荷物を抱えていた。
「冬麻、その荷物なんだよ…重たそうだけど」
「琉依が確認して見てよ」
「なんだよ…」
大きなリュックに詰め込まれた荷物
引き裂いたレシート
ぬいぐるみ
黒の手袋
フォトフレーム
ハンカチ
男物のお弁当箱
紫のマフラー
「冬麻、コレなんだよ」
全部、僕の部屋にあった荷物
ベッドの上にあった荷物
「コレ持って一緒に行こ」
「僕の荷物じゃん、何で持ってんの」
「琉依のお母様に借りました」
「何で」
「琉依が翼さんを思い出す為」
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