僕が男になった理由
秋の体育祭も終わりすっかり寒くなった冬。
僕の住む地域は寒さだけが存在するような街で、雪なんかは滅多に降らない。
さすがに屋上は寒くなってきているので、あの視聴覚室にいた。
「琉依、携帯なってるよ~?」
「ん?あぁ…メールだ」
「…琉依…最近メール多いね」
「そうか?前より少し多いってだけだろ」
「…またあの人?」
「え?あ、そうだけど…なんだよ」
「べっつに~!」
「はっきり言えっての」
「…ただのヤキモチです…」
「そんなにメールがいいのか?」
「俺も琉依からメール欲しいんだけどな~?」
「じゃあ会う必要なくなるな?」
「え?そーゆーことになっちゃうの!?」
「そうだけど」
「じゃあメールはいいや~」
「…冬麻って単純だな」
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