僕が男になった理由



 「あ、ちょっと手洗いに行ってくる…インク手に付いた」


 「わかった〜!…」


 「悪いな」



 ガタン



 「あっ!琉依!財布落ちたよ〜!」


 「すまん片付けておいてくれ」


 「わかった〜…」



 僕は冬麻には何でも頼めた。信頼してるから。



 「手…冷たいな…」



 水によって冷たく赤くなった両手を擦り合わせながら戻る。



 「冬麻、戻ったぞ」


 「…琉依おかえり」


 「もう冷てえな、学校の水道も」


 「あ!本当だ!琉依の手真っ赤だよ〜ほらこっちきて!」


 「え?あ、おう」


 「ぎゅ〜!」


 「温かいな冬麻の手は」


 「こんな時の為の子供体温だからね〜」


 「自分で言うなよな」











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