僕が男になった理由



 「…失礼な奴等…所詮…この箱の異空間に冬麻以外は愚民だらけだな」



 …それにしても男子先輩とは聞いて呆れるよ。



 人を見る目もない愚民らしいがな。



 「冬麻に届けないとな」



 また小走りで向った先の体育館は愚民の黄色い声に満ちていた。



 「やっぱり今日は冬麻くんいるじゃん!」
 「背も高いしやっぱりカッコいいよね!」
 「流石モデル!可愛いよね〜!私にも笑顔向けてくれないかなぁ」



 …無表情の冬麻に向けられた愚民の声に僕はかなりの苛立ちを覚えた。



 冬麻の何を知っているって言うんだ?



 「琉依っ!」



 ジャージ姿に裸足の冬麻が僕に向かって笑顔で駆け寄る。











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