僕が男になった理由



 「ほら、僕は戻るから」


 「うん!」



 冬麻に向けられた羨望の眼差しが僕への嫉妬の睨みに変わるのを感じた。



 愚民の視線なんて僕には関係ないけど冬麻が無表情に変わるのが早かったな。



 「…さっさと勉強終わらせて冬麻の帰りを待つとするか」



 携帯が振動した…部屋に戻ってから確認しよう。



 寒い渡り廊下を戻ると吐いた白い息が目立つ。



 もうすぐ僕の誕生日か…また嫌な日が近付いた。



 …嫌なことは少し忘れよう…課題はたくさんある



 「こなさなきゃ…勉強も仕事も」



 自分を限界まで追い込まなくては…。



 じゃないとこなせない










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