僕が男になった理由



 「ごちそうさまでした」



 お店を出た僕達は次の行き先に困っていた。



 「次どこか行きたいなって所ありますか?」


 「とりあえずお店の入口を塞がない場所へ」


 「じゃあとりあえずすぐそこの椅子に座りましょう…ではそれ以外で」


 「ん〜…特には」


 「じゃあ…あの…琉依さん…?」


 「何ですか?」


 「少し…急ですけど」



 俯きかけた彼の顔を覗きこむ。



 何でか少し赤らんだ顔は何が原因なのだろうか。



 あぁ、ポトフ美味しかったし生姜も入ってるから身体温まるもんな。



 「驚かないで…くださいね…」


 「…え?…はい」



 改まって驚くなと言われると急に緊張し始める。



 確か次の行き先を決めているだけなんだよな?



 何故この僕が緊張する必要がある。











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