僕が男になった理由
「…美味しい」
「お口に合ったなら幸いです」
美味しい。このまま真後ろのベッドで寝たいくらい幸せな気分になれる。
暖かいミルクティーを含むと、甘味と香りが口いっぱいに広がった。
「…琉依さん」
「はい」
「あの…聞いて欲しいことが…あります」
「…何でしょう」
「…琉依さんは…彼氏いますよね」
「え?いませんけど?」
「じゃあ以前一緒だったあの男の子は」
…あぁ、冬麻か
「冬麻は僕の学校の後輩ですので」
「なら…はっきり言いますね」
「はい…」
彼が僕の目の前に座り直すと手を繋がれた。
何かこの感じ凄く凄く緊張してしまうんですけどもけども。
「俺は…」
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