ただ君に、まっすぐな愛を。~あの日見つけた流れ星~



「こんな遅い時間に女の子一人で何してんの?」

「別に…何も。」


そう答えると金髪さんはアハハ、と笑ってみせた。

とても綺麗な笑顔。

今のあたしの心とは大違い。


「じゃあさ、二人で空でも見てよっか。

今日は流れ星が多いよ。」


へぇ。

「ほら、また流れ星ッ!!何お願いする?」


願い事………。

今さら願い事なんて、何もない…。


じゃあ……


「あたし以外の皆が幸せになれますように……。」


今まで迷惑かけた人全員。

不幸なのは、あたしだけで充分なの。

「…願い事って…それでいいの?」


「うん。」

金髪さんはニコリと笑って「優しいね。」と言った。

優しくなんかない…優しいんじゃないんだよ。


「あ、そう言えば自己紹介してなかったね!俺は拓真。柊拓真。君は?」

「川上夏希。」

「どういう字?」

「川に上。季節の夏に希望の希。」

「そっかぁ、いい字だね。」


夏の希望、なんて…あたしは希望になんかなれない。

「じゃあ…夏希、よろしくね~」

よろしく、は出来ないよ。
あたしは――――…


でも、そんなことは言えなくて、結局あたしは

「よろしく……」

って言っちゃったんだ。






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