和久井さん、さんじょー
生徒会会長、和久井華です
“新生徒会からの挨拶、お願いします。”
「は、はいっ!」
キィーンッ
マイクの甲高い音が体育館に響き渡る。
クスクス…
…ほらね、絶対笑われる。
「えと、3年1組。和久井華です。」
…ちょっとおめかししたんだけどな。
腰まである長い黒い髪を先だけ少し巻いて、
メイクだって少しした。
…後ろにいる叶とは天と地の差。
ちょちょっ想くん寝てるっ!
あれ…翠いなくね?
「あんなこいたっけ…?」
「意外に可愛くね?」
「もろタイプっ」
「黒髪いいねー」
なんて男子の声が聞こえる。
なにを言ってるんだ?叶は髪、あまーい栗色だよね?
頭いっちゃってるのか。
「えー…一生懸命がんばりますので…よろしくお願いします。」
ニコッと最後に笑った。
男子の頬がピンク。
あらー、華が可愛くてごめんなさいねー。
…なんちゃって♪
なわけないか。
ありえないもんねー。
「おーい…想くんっ出番だよ?」
「っは!」
やっと起きたみたい…。
「えとー、ふぁー…。なにゆうか忘れちゃったよぉ…。んー…、あ南里想李ですー。華ちゃんと一緒の組でーす。よろしくね♪」
…自由人。
続いて次。
「難波叶です。会計の難波翠は…いないので一緒に紹介します。あ、最初に忠告しますが、男子群のみなさん、華はダメですよ。この前の卒業生の南里浬先輩と親しいので。翠、は役に立ちません。そのかわり私ががんばるのでよろしくお願いします。」
えー、という男子のブーイング。
ごめん、叶。聞いてなかった…。何言ったのかな
そんな感じで紹介は終わった、