和久井さん、さんじょー
和久井さん、「な、南国ぅ!?」
な、南国ぅ?
「うん、南国。」
「はーい、グループ決めといて。」
「華ちゃんは僕と一緒だよー」
「強制かよっ!」
「え…だめなの?」
瞳をウルウル…
今にも泣きそう。
「いや、そーゆーわけでいったんじゃないよっ」
「あ、よかった」
くっそー、また華騙されった。
あれ、間違えた
騙さっれた。
あれ、どこに小さな「つ」いれるんだ?
あ、最初からはいっとらんかった。
もう、はなのおバカさんっ
はい、卒業旅行と言うんですかね?
なぜか南のほうに行くらしいです。この状況は。
中学の旅行に南国…
絶対想くんのコネだな
「あ、テスト良くないといかせんぞー」
て、てすとぉ!?
「あ、絶対忘れてたな」
「忘れてたんだー、華ちゃんおっちょこちょい!」
いや、まだ何も言ってない。顔に出てた?
叶と想くんに言われた。
「…テストかあ。最後の…ね。」
「そおだね、僕ら推薦もらうもんねぇ」
「想くんはいつも何位なの?」
…三年は全部で300人近く。
…私は、1ゴニョゴニョ…。
「僕?んー…あ!80くらい?」
わ、想くんに負けてるっ!?
「華ちゃんはー?叶ちゃんもー」
「私?私は1位よ、もちろん。」
…そうなんです。叶はめちゃめちゃ頭いいんです。
頭脳明晰
容姿端麗
おまけにスポーツ出来るし、モテまくり。
でも、彼氏つくらないんだよね…
「わ、私は…いち、さん……」
「へ?13位!?」
「…いち、さん、ご。」
「面倒な言い方したいでよ、華。135位よ。」
「へ?華ちゃん、頭悪いんだあ」
うう…
「何がダメなの?」
「…数学。」
そうなんです。私は数学がダメなの…。
「へー、僕は国語。漢字はもちろん、文も嫌いだし…ブツブツ…」
想くんが愚痴りだした。
こうなったら止まらないんだよね…。
「…だからなの。華ちゃん聞いてた?」
「へっ?は、ああ…聞いてた?」
「いや、疑問文で返されても」
「わかってるじゃん!疑問文!あと、否定、肯定文覚えれば何とかなるっ!じゃッ!」
そそくさと逃げた。
フフフ…逃げるが勝ちなのだっ!
「ああ、華ちゃんっ!うう…」
と、涙ぐんだ感情がはいった最後の言葉は聞かなかったことにした。