和久井さん、さんじょー

浬「くん」お怒りの訳




ん…

今ここどこ?


このパーク、無駄に広いっ


えー…

「想ー…椎月ー…」

誰もいない…

「杏樹ー…浬くーん…」

本当に誰もいない…


…子供の頃も迷った気がする。
…誰だっけ。

あの…一緒にいた、あの…

…誰?

また頭痛が襲ってきた。


「うう…」


椅子にすわろ…


「ふぅ…」


あれは…誰?

お母さん、お父さんの顔ははっきり見えるのに…私と同じくらいの歳っぽいな。


…髪型は黒。右だけ髪をかきあげてしばっていて…

肌はとても綺麗で…声も透き通りのある声。

容姿はカッコイイよりキレイ系…。


なんとかここまで思い出せた…。


“華、大丈夫?”

…そう声をかけてもらうととても落ち着いて、

“華、駄目でしょ。これは僕のなんだから”

すこし小悪魔で…

“少し休んでなよ、僕がやるから”

でもとても優しくて…


「…ううっ」


ここまで来てるのに、完全に思い出せない。


…よく歌を歌ってたな

、とてもキレイな声で。



…駄目、無理だ。
思い出せそうなのに。


「おい、」


…へ

「おい、顔色…悪いけど」


「か、浬く…!?」

「…はあ」


…?

「そうだ、浬くん。なんでこの間から怒ってるの?」

「…鈍感」

「へ?」


なんでか不思議でたまらない。
椎はわかってるみたいだけどさ。


「…なんで想や椎月は呼びすてなのに俺はくん付け?」

「あ、そういえば。、でも想と椎が呼びすてでいいといった…の、で…」

すごい視線だったので最後のほうヨロヨロしちゃったよ、


「…アイツら、」



何を言ってるのか…

「俺もいいから…」

「?」

「っだから、浬でいい!」


「…か、いり?」

浬く、…浬が頷いた。


「…わかったな」


「…うん、浬!」


えへへ、浬、か

いい響きー♪


「あ!そうだ、浬なんで怒ってるのか聞いてたんだったわ、なんで?」


「…本当鈍感、困る。別にもう怒ってるねーよ。」


「本当?そう?ならよかった」


結局、あまりパークを楽しまないまま終了しました。



今になって気付いても遅い。
杏樹の個人的事情仕事がなんの仕事…かを。
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