和久井さん、さんじょー



「あの、和泉くんとは…梶和泉くん、でしょうか」


「そうだけど。これ、和泉くんの携帯だよね?何で君が持っているのかな」


「あ、廊下に落ちてて」


「廊下…和泉くんも抜けてるところがあるんだな」


「あ、あの今私梶くんの事を探しているので、見つけたら連絡するように言いますね」


「あ、ああ、お願いします。では。」


「はい」


電話を切ろうとすると…


「あ!ストップ!えと、仕事に間に合う時間はギリギリ今から30分だから!じゃあ頼んだよ」


電話が切られた。


…とにかく探さなきゃ



…あれ、梶くんじゃね?


黒い人影に近寄ってみると…


「梶くん!」


「…!華、」



「梶くん!あの、あのさ…あ!まずは…携帯!落ちてたよ?」



水色の携帯を梶くんに差し出す。


「…ありがとう」


それを私から貰おうとすると…





ドサッ


梶くんが私の目の前で倒れた。



「かっ梶くん!え、どうしたの、え、どうし…よう、」


「ウィーーーン、ガシャン。ERROR発生、ERROR発生、至急ラボまで運びなさい」


いつもの梶くんの声じゃない!
あの、その、ERRORがおきた時の女の人の声!
あ、いまERRORがおこっているのか。



…じゃなくて!どうしようどうしよう、まわりに人いないし、


とりあえず、旧教室に連れていこう。


梶くんを持ち上げようとすると…


「うぎゃっ重い」


ヤバヤバ!梶くん、デブ?いや今はそんな場合じゃないよ!

そんな時、前からパタパタと足音が…



「チチチチ、チョコレイト!アアアア、アイスクリー厶!かかかか、梶くんと華ちゃんどっこかなー出てこ…ああああーーっ!華ちゃん!と梶くん!」



…面倒臭いやつに見つかってしまった。


「ごめん、想、梶くん運ぶの手伝って。理由は後で」

「あ、あの、梶くん、なんか、ERRORってまるで、ロボッムグ」

私は想の口をおさえて、


「後で!旧教室まで運ぶよ!」


「うんっ」



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