【完】ヒミツの恋を君と。
痛ぁ……あ、しまった!!



ぶつかる瞬間、目を瞑ってたあたし。

目を開けた時に視界に入ったのは、地面に落ちたあたしのスーパーの袋と、ぶつかった人が買った本の袋。




あたしの袋はどうでもいい。

衝撃を受けても大丈夫なものばかりだけど、この人のは本だから、角とか曲がってたら大変!



あたし急いで本の袋を拾い上げた。





「す、すみませんでした!中身大丈夫ですかね?」





そう言いながら、目の前のその人を見上げた。


え……。

あまりの衝撃に言葉が出てこない。





「……吉丘?」





聞き覚えのあるその声。

見間違えるはずないその顔。





「……春…?」






時間が止まったかと錯覚するくらい、あたしは頭の中が真っ白になって、息すら出来なかった。



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