【完】ヒミツの恋を君と。
あたしの目の前には、今、白いシャツから伸びる長くて、意外と筋肉のある腕がある。

少し視線を動かして見えたのは見覚えのあるその背中。





晴──




トクンと胸がなった。



晴のその腕はあたしと春の間に割り込む様に伸びていて、柱に手が置かれていた。

さっきの音は、晴が柱を手で叩きつけた音?



晴はあたしを背中で隠す様に、体を割り込ませてた。


晴の視線の先には春がいる。


晴にびっくりしたのか、春は掴んでたあたしの腕を離した。





「これ以上は、やめて欲しいんだけど?どう見ても、こいつ怖がってるし」





そんな晴の声に、その後姿を見上げる。



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