【完】ヒミツの恋を君と。
「…あなたは、吉丘の知り合いですか?」


「あぁ」


「俺はただ、吉丘に聞きたいことがあるだけで…」


「こいつのこの様子じゃ、今日はまともに話せないだろ?」


「……」


「もう少しだけこいつに、時間やったら?」


「…じゃぁ、吉丘、携帯のアドレスだけでも教えて」





春のその言葉に、あたしの体がビクッと反応した。

まだ、春と春ちゃんに会ってすべてを話す自信がない。

それなのに、アドレスを教えたら…。




晴が、一瞬あたしを振り向いた。

その後すぐに春の方に視線を戻してから言う。





「友達なら、こいつの性格分かってるよな?」





晴の言葉に、春は驚いた様な表情をしたのが見えた。





「こいつはいつまでも逃げ隠れするような奴じゃない。友達なら、こいつから話し出すまで待ってやれよ」





晴のその言葉がじわっと胸にしみこんできて、涙が溢れ出しそうになった。



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