【完】ヒミツの恋を君と。
───…


『ねぇ、あなたのこと“はる”って呼んでいい?』


『……勝手にすれば』


『いいの?ありがとう』


───…




初めて会った日、屋上で交わした言葉。




───…


『……あの日、まだよく知りもしない俺のこと“はる”って呼ばせてくれとあんなに詰め寄ってきたのは、そいつが関係してんだろ?』


───…



バイトの休憩室で言われた言葉。




今、その時の晴の言葉を、表情を思い返せば分かる。

晴は、気付いてたんだ?





「お前もめちゃくちゃだよな。あいつと俺って似てるの名前だけだろ?顔の系統も違うし、性格も全然違うんじゃねぇの?」


「うん、違うよ……全然違う」





『全然』という言葉に力を込めてそう言う。


だって、晴には勘違いして欲しくない。



晴に向かって歩く。


目の前まで来れば、晴の表情がクリアに見えた。



でも、その表情を見ても晴が何を考えてるか分からない。


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