【完】ヒミツの恋を君と。
「あたしが春のことを好きになったのが悪かったの」
「……」
「3人のバランスをめちゃくちゃにしてしまった」
マグカップを持つ手にギュッと力を込めた。
目を閉じてはじめに浮かんできたのは春ちゃんの可愛い笑顔。
春ちゃんはあたしの気持ちを見抜いてた。
───…
『桃ちゃんって春のこと好きだよね?見てたら分かるよ』
『なっ!?ち、違うよ!』
『桃ちゃん、隠すの下手~』
『ち、違うってば!』
『はいはい、違う、違う』
『…もう、春ちゃんってば』
『あはは!安心してよ。春には言わないから。その代わり桃ちゃん頑張ってね!応援してる~』
『……だから違うってば…』
───…
春への気持ちを否定しながらも、春ちゃんが『応援してる』って言ってくれたのがとても嬉しかった。
でも、初めての恋に戸惑ってたあたしは、春ちゃんにすら、心の内を話せなかったんだ。