【完】ヒミツの恋を君と。
晴が好き…。
寝てしまう前に感じた感情が蘇ってくる。
あの時、晴の温かい手はあたしの頭を撫でるように包んでくれてた。
その温もりは、凍り付いていたあたしの心を溶かしてくれた。
晴が好き…。
「……晴」
無意識にあたしはその名前を声に出す。
「晴」
今、この体勢で起きたら恥かしいとか思ってたくせに、その閉じてる目を開いてあたしを見て欲しいと言う矛盾。
でも、声を掛けても晴は一向に起きる様子がない。
熟睡してる…。
だんだん気が大きくなってきたあたしは、無意識に伸ばしてた指で晴の鼻にほんの少しだけ触れた。
すると、さっきみたいに眉間にシワを寄せて迷惑そうな顔をする。
その顔が面白くて、思わずフッと噴出してしまった。
起きないし。
ふと、晴に鼻を噛まれた日のことを思い出した。
あんなにドキドキさせられたのは生まれて始めてだった。
晴はあの時、何を思ってあんなことをしたのかな?
噛んだ後の晴のイジワルな笑顔を思い出す。
あの日、ドキドキしてたのはあたしだけ?
そう思うと、少しムカッとした。
「晴、起きないと鼻噛むよー」
晴に顔を近付ける。
「噛むよ…仕返しだよ」
今なお寝続ける晴の鼻に口を近付けて、あーんと開いた。
本気で仕返ししてやる!
急にあんなことされた乙女の動揺を思い知ればいい。
そう思って晴の鼻元に口を近づけたのに、寸前であたしは口を閉じて、その鼻先に、一瞬だけ唇を触れた。
寝てしまう前に感じた感情が蘇ってくる。
あの時、晴の温かい手はあたしの頭を撫でるように包んでくれてた。
その温もりは、凍り付いていたあたしの心を溶かしてくれた。
晴が好き…。
「……晴」
無意識にあたしはその名前を声に出す。
「晴」
今、この体勢で起きたら恥かしいとか思ってたくせに、その閉じてる目を開いてあたしを見て欲しいと言う矛盾。
でも、声を掛けても晴は一向に起きる様子がない。
熟睡してる…。
だんだん気が大きくなってきたあたしは、無意識に伸ばしてた指で晴の鼻にほんの少しだけ触れた。
すると、さっきみたいに眉間にシワを寄せて迷惑そうな顔をする。
その顔が面白くて、思わずフッと噴出してしまった。
起きないし。
ふと、晴に鼻を噛まれた日のことを思い出した。
あんなにドキドキさせられたのは生まれて始めてだった。
晴はあの時、何を思ってあんなことをしたのかな?
噛んだ後の晴のイジワルな笑顔を思い出す。
あの日、ドキドキしてたのはあたしだけ?
そう思うと、少しムカッとした。
「晴、起きないと鼻噛むよー」
晴に顔を近付ける。
「噛むよ…仕返しだよ」
今なお寝続ける晴の鼻に口を近付けて、あーんと開いた。
本気で仕返ししてやる!
急にあんなことされた乙女の動揺を思い知ればいい。
そう思って晴の鼻元に口を近づけたのに、寸前であたしは口を閉じて、その鼻先に、一瞬だけ唇を触れた。