【完】ヒミツの恋を君と。
今は夕方の3時過ぎ。
「つ、着いた」
1年間通った懐かしい母校の正門の前に着いた。
それと同時に下校の時間を示すチャイムが鳴り響く。
春は今から部活かも知れないけど、部活に入ってない春ちゃんはもうすぐこの門から出てくる。
背の高い正門に隠れるように立つ。
晴はまだあたしに腕を力いっぱい掴まれたままあたしの隣にいた。
ドキドキと不自然なまでに大きい音を響かせる心臓。
深呼吸して、落ち着かせようとしてもそれは無理な話で、時間が過ぎる毎にその大きさが増していくような気がする。
「そんなに緊張しなくても、会ったら自然に話せるよ」
そんな声が聞こえてきて「え?」っと晴を見上げる。
「心を許し合えてる相手になら、頭で考えた言葉じゃなくて、ここの言葉が先に出てくるはずだから」
晴が『ここ』と言いながら自分の胸を指差した。
あたしは晴の言葉に、ただコクンと頷くのが精一杯で…。
春ちゃんは今もあたしに心を許してくれてるかな?
そう思った時だった。
正門を通り抜けて、ゆっくり歩いていくその横顔を見つけたのは。
「……っ!?…は、晴、あたし行って来る」
晴の顔を見上げると、頭を軽くポンとされた。
その瞬間、あたしはあんなに強く握ってた晴の腕を放して、何かが吹っ切れた様にその背中を追ってそして叫んだ。
「春ちゃん!」
「つ、着いた」
1年間通った懐かしい母校の正門の前に着いた。
それと同時に下校の時間を示すチャイムが鳴り響く。
春は今から部活かも知れないけど、部活に入ってない春ちゃんはもうすぐこの門から出てくる。
背の高い正門に隠れるように立つ。
晴はまだあたしに腕を力いっぱい掴まれたままあたしの隣にいた。
ドキドキと不自然なまでに大きい音を響かせる心臓。
深呼吸して、落ち着かせようとしてもそれは無理な話で、時間が過ぎる毎にその大きさが増していくような気がする。
「そんなに緊張しなくても、会ったら自然に話せるよ」
そんな声が聞こえてきて「え?」っと晴を見上げる。
「心を許し合えてる相手になら、頭で考えた言葉じゃなくて、ここの言葉が先に出てくるはずだから」
晴が『ここ』と言いながら自分の胸を指差した。
あたしは晴の言葉に、ただコクンと頷くのが精一杯で…。
春ちゃんは今もあたしに心を許してくれてるかな?
そう思った時だった。
正門を通り抜けて、ゆっくり歩いていくその横顔を見つけたのは。
「……っ!?…は、晴、あたし行って来る」
晴の顔を見上げると、頭を軽くポンとされた。
その瞬間、あたしはあんなに強く握ってた晴の腕を放して、何かが吹っ切れた様にその背中を追ってそして叫んだ。
「春ちゃん!」