【完】ヒミツの恋を君と。
1人でトボトボ歩いてたその後姿が、あたしの声に反応してビクッと跳ねた。
春ちゃんが振り向く前に、あたしは春ちゃんの前に回り込んで、真正面に立つ。
春ちゃんは可愛いまん丸な目を更に見開いて、あたしの顔を見た。
「桃……ちゃん?」
消え入りそうなその声に、あたしの胸が激しく痛む。
春ちゃん、少し痩せた…。
「春ちゃんあのね……」
「桃ちゃん、ごめんね!ごめんなさいっ!」
「え?」
あたしが言葉を出すよりも早く、春ちゃんが抱きついて謝ってきた。
「あたし、桃ちゃんが春を好きなのを知ってたのに…春のこと……」
涙声の春ちゃんが勢いよく話し出す。
でも、最後の言葉は途切れてしまって、それ以上口に出すのを躊躇してる様に思えた。
「好きなんでしょ?春のことが?」
あたしの言葉に、春ちゃんがビクッと体を揺らす。
そして、慌てたようにあたしから体を離して、思いっきり首を横に振った。
「ごめん……でも!でも!もう“好き”なのやめるから……だから…」
「それは無理だよ春ちゃん」
「無理じゃないよ!だって、あたしは春より、桃ちゃんの方が好きだもん」
春ちゃんが悲しそうに眉を寄せる。
ごめんね春ちゃん。
こんな風に追い込んだのはあたしだよね。
春ちゃんを辛さから解放してあげられるのはあたしだけだったのに。
「本当は“あたし”と“春”。どっちが好きかなんて比べられなかったんじゃない?」
「え?」
「あたしも、“春ちゃん”と“春”どっちが好きか何度も考えた。でも、どっちかなんて決まらなかったし、“同じだけ好き”でもなかった」
春ちゃんが振り向く前に、あたしは春ちゃんの前に回り込んで、真正面に立つ。
春ちゃんは可愛いまん丸な目を更に見開いて、あたしの顔を見た。
「桃……ちゃん?」
消え入りそうなその声に、あたしの胸が激しく痛む。
春ちゃん、少し痩せた…。
「春ちゃんあのね……」
「桃ちゃん、ごめんね!ごめんなさいっ!」
「え?」
あたしが言葉を出すよりも早く、春ちゃんが抱きついて謝ってきた。
「あたし、桃ちゃんが春を好きなのを知ってたのに…春のこと……」
涙声の春ちゃんが勢いよく話し出す。
でも、最後の言葉は途切れてしまって、それ以上口に出すのを躊躇してる様に思えた。
「好きなんでしょ?春のことが?」
あたしの言葉に、春ちゃんがビクッと体を揺らす。
そして、慌てたようにあたしから体を離して、思いっきり首を横に振った。
「ごめん……でも!でも!もう“好き”なのやめるから……だから…」
「それは無理だよ春ちゃん」
「無理じゃないよ!だって、あたしは春より、桃ちゃんの方が好きだもん」
春ちゃんが悲しそうに眉を寄せる。
ごめんね春ちゃん。
こんな風に追い込んだのはあたしだよね。
春ちゃんを辛さから解放してあげられるのはあたしだけだったのに。
「本当は“あたし”と“春”。どっちが好きかなんて比べられなかったんじゃない?」
「え?」
「あたしも、“春ちゃん”と“春”どっちが好きか何度も考えた。でも、どっちかなんて決まらなかったし、“同じだけ好き”でもなかった」