【完】ヒミツの恋を君と。
「春ちゃん、今度は春ちゃんの番だよ」


「え?」


「春に言わないといけないことあるよね?」





春ちゃんの顔がみるみる赤くなって…。

そしてコクッと静かに頷いた。



良かった。

もう、この2人は大丈夫だよね?



やっと向かい合った2人を見て、あたしはその場を離れるべく歩を進めた。


2、3歩進んだ所で、春の声が聞こえて振り向いた。





「この間会ったあの人って、吉丘の大切な人?」


「え?」





晴のことだよね。

ここから門まで少し距離があるから、春の言葉は晴には聞こえてないと思うけど…。





「うん、大切な人!」





晴にこの声が聞こえてもいいって思えた。

あたしの返事を聞いて、春も春ちゃんも笑顔になる。



そんな2人を見てあたしもいつの間にか笑顔になっていた。



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