【完】ヒミツの恋を君と。
晴の眉間のしわが濃くなっていく。




「なんなの?その残念なネーミングセンス」


「え?ぴったり絶妙なセンスだと思うんですが?」


「……」





晴、あのね。あたし、晴の言葉のおかげで大切なことを見失わずに済んだよ。



晴が『笑え』って言ってくれたおかげで、2人の前で笑えたよ。



あたしの笑顔を見た後の春と春ちゃんの笑顔。

あんな2人の笑顔は久しぶりに見たんだ。




どうしようもないほど胸が熱くて、隣に並ぶ晴を見上げた。



晴れた空に照らされた晴の顔がこっちを向く。

なんだか眩しくて、あたしの胸がキュッと音を立てた。




「晴」




あたしは一体いつの間に、こんなに君を好きになってしまってたのかな?




「なに?」


「ううん、やっぱなんでもない」




溢れ出しそうな想いを胸にギュッとしまいこんだ。



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