【完】ヒミツの恋を君と。
あっ!?
でも、あたしに気づいていない晴は、その教室の中に入ってしまった。
その部屋の扉が閉められる音が響く。
あそこは確かパソコンルーム?
今からここで授業かな?
静かにその部屋に近付くと、暗幕のカーテンが閉まってて、今から授業って感じゃない。
もう予鈴なってるし。
まさか、晴ってば、サボり?
そうだ!きっと晴のことだから、次の3限この暗い部屋で寝るつもりなんだ?
晴1人だけずるいよ!
あたしもサボれるならサボりたい!
ちょっと驚かせてやろうかな。
あたしの意地悪心に火がついた。
さっき晴が入っていった扉は完全に閉まりきってなくて、よく見ると、1cm程隙間が開いていた。
そこから中を覗いてみる。
思ったよりも暗くなかったその教室の中。
いきなり“わっ!”って突入して脅かしてみようかな?
「……」
え?
わくわくして覗いたその教室の中にあたしが見たのは、ぴったり重なった2つの人影。