【完】ヒミツの恋を君と。
1つは晴で、

もうひとつの影は、女の人…。




その女の人は晴の背中に腕を回していて、晴に強く抱きついてた。




その場で立ち尽くしたまま動けなくなったあたし。


聞こえてくる声さえも、なんだかリアルには感じなくて…。




「……晴くん、あたしどうしたらいいの?」


「……」




手をだらんと下ろして、無言のままの晴。

晴を見上げてる彼女の顔も見ていない。

ただ彼女にされるがまま。





「……晴くん、こっち見てよ。慰めて」





そう言った彼女が、晴の背中に回した手を離して、今度は晴の首に絡めたかと思うと、自分の方にグイっと引き寄せた。



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