【完】ヒミツの恋を君と。
「本当にもう大丈夫だよ!これ片付けてくるね」
ニコッと笑ってそう言って、下げる食器を載せたトレーを持った。
あたしの気持ちに変化が表れたことを晴に話せないのは、その変化の原因が晴にあるから。
春が過去になったのは、晴を好きになったから──
それに気付かれそうで、本当のことが言えない……。
「わっ!?」
あたしの悲鳴と共に、ガシャン!ガシャン!という高い音が店内に響き渡る。
「あーあ、モカくん。またやりましたね…」
「破壊王モカ!今週だけでいくつ割ったかなー?」
肩をポンッと叩いてほうきとちりとりをそれぞれ差し出してくれたのは、リツキさんとトウヤさん。
お客さん達からの「モカくん頑張れ!」っていう声援を聞きながら、視線を下に向けると、足元には無残に砕けた2客のコーヒーカップの残骸。
呆然とするあたしの前で晴が言う。
「お前そのカップ、ロイヤルコペンハーゲン。1客1万円以上するカップだよ」
「いっ、いっ!?」
恐る恐る店長に目線を向けると、店長が頭を抱えてた。
「モカー。片付けは晴に任せてお前は休憩室に来ーい」
わなわな震えるあたしの耳には、店長の声が死刑宣告の様に聞こえた。
ニコッと笑ってそう言って、下げる食器を載せたトレーを持った。
あたしの気持ちに変化が表れたことを晴に話せないのは、その変化の原因が晴にあるから。
春が過去になったのは、晴を好きになったから──
それに気付かれそうで、本当のことが言えない……。
「わっ!?」
あたしの悲鳴と共に、ガシャン!ガシャン!という高い音が店内に響き渡る。
「あーあ、モカくん。またやりましたね…」
「破壊王モカ!今週だけでいくつ割ったかなー?」
肩をポンッと叩いてほうきとちりとりをそれぞれ差し出してくれたのは、リツキさんとトウヤさん。
お客さん達からの「モカくん頑張れ!」っていう声援を聞きながら、視線を下に向けると、足元には無残に砕けた2客のコーヒーカップの残骸。
呆然とするあたしの前で晴が言う。
「お前そのカップ、ロイヤルコペンハーゲン。1客1万円以上するカップだよ」
「いっ、いっ!?」
恐る恐る店長に目線を向けると、店長が頭を抱えてた。
「モカー。片付けは晴に任せてお前は休憩室に来ーい」
わなわな震えるあたしの耳には、店長の声が死刑宣告の様に聞こえた。