【完】ヒミツの恋を君と。
2人だけじゃなくて、店中があたしの発言に静まり返った時、後ろからトウヤさんに抱きつかれた。





「ごめんねー!ハルは今日、学校で遅くなるんだって。ハルが遅いもんだからモカってばスネちゃってるんだよ」





トウヤさんがあたしの頭を撫でながら、さっきの暴言をフォローしてくれた。


張り詰めてた店中の空気が一気に和んでく。


そしてトウヤさんは、あたしをたしなめるように「どうどう」と小声で言った。


いつもなら、こんな風にトウヤさんに抱きつかれたら、カチコチに固まってしまうところだけど、今日は怒りが先行してるせいか、何にも感じない。





「なーんだびっくりした。ハルくんとモカくんがケンカしたのかと思ったー」





ケンカならまだいい。

ケンカは近い者同士がするものだから。


でも今朝のは無視だった。

晴はあたしを他人の様な目で見てた。



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