【完】ヒミツの恋を君と。
晴の言いたくないことを無理に聞き出そうとは思わない。


でも、これだけは知りたい。




あたしは大切な人を苦しめる存在になってる?

春と春ちゃんを苦しめたみたいにまた……。





「んなわけねぇだろうが!逆だよ!」


「へ?」





晴の顔は今まで見たことないくらい焦ってる顔で。

それを見て、ふっと心が和らいだ。


逆だって。


あたしは、晴の大切なものや時間を守ってあげられる存在なのかな?


表情を緩めたあたしを見て晴はホッとした様な顔をした。


そしてその後、独り言の様にボソッと呟く。





「お前がいない毎日はもう考えられねぇよ…」





ごめんね晴。


あたし結構地獄耳だから聞こえちゃったよ。


腕でその表情は隠されてるけど、やっぱり少しだけ頬が赤くなってる様に見える晴。


どうしよう、嬉しくてしょうがない。





「わかったよ。あたし晴の嫌なことはしないよ。2人の先輩には関わらないから心配しないで」





あたしの言葉を聞いて、晴は1回頷いた。

申し訳なさそうにする晴に笑い掛ける。





「晴らしくない。もっと“晴様”っぽく、俺の言うこと聞けよ!って感じで言えばいいのに」


「晴様って…お前は、俺のことちょくちょく勘違いしてるよな」


「してないよ。“傍若無人”は晴のモットーでしょ?」


「はぁ?傍若無人って誰がだよ?」


「い、痛い痛いっ!」



< 224 / 499 >

この作品をシェア

pagetop