【完】ヒミツの恋を君と。
そんなことを考えてたら、晴が呆れた様にフッて笑った。





「なるほど…って、今までそんなこと考えたこともないって感じだな」


「うん、考えたことなかった。けど、今考えてみてもやっぱりピンと来ないなぁ。だって、あたしがいないと晴が一人ぼっちで寂しいでしょ?」


「は?」


「だからここにいてあげるー」





冗談めかしてニッと笑う。





「何様だお前は」


「ふふん!」





晴も「バーカ」って言いながら笑ってる。


その後、頭をグリグリされそうになって、逃げようとしたけど間に合わなかった。



本当は、あたしがここにいたいだけ。



あと何回あるか分からないこの穏やかな時間を大切にしたい。

晴が東京に行っても、あたしとの時間を覚えてて欲しいから。



今は精一杯晴との時間を大切にしたい。




「ね、ね、ねぇ、晴って7月18日って、ひ、暇?う、う、うちに来ないかなとか思ったりしたわけよ?」





あまりのあたしの動揺ぶりに晴が不振そうにあたしを見る。


しまった。


あたしってば人を誘うっていうのの経験値が低すぎる。





「いや、あの…別に怪しい事じゃないんだよ?お、お礼がしたくて。春と春ちゃんと仲直りできたのは晴のおかげだから」


「お礼?」


「う、う、うん、グラタンなんかを作ろうと思って練習したんだよ。な、なんとかマシな物作れるようになってきたから……あ、18日無理なら違う日でいいよ。あ、勉強忙しいなら、大学合格してからでもいいけど…」





晴がびっくりした顔をしてこっちを見てる。


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