【完】ヒミツの恋を君と。
「晴っ!」





路地に駆け込むと、晴はお腹を押さえて立ち上がろうとしてて。




「は、晴……っ!」




かなり痛いんだと思う。

辛そうな目をしてる。



なんで?どうして?

晴がこんな目に……。



あまりにも痛そうで、支えたいけど、どう触れていいのか分からない。


晴はあたしの姿を見つけて、グッと眉間を寄せた。





「……っぱ、あの声お前だったんだ?」


「え」


「何やってんだよ!…俺なんてほおっておいていいんだよっ!」


「…っ!」





辛そうなのに、搾り出す様な声で怒鳴られて、晴に触れようとしてた手を引っ込めた。


いろんな感情が胸に押し寄せて来て、じわっと涙が浮かぶ。





引っ込めたあたしの手の変わりに、伸びてきたのは晴の手で。
< 247 / 499 >

この作品をシェア

pagetop