【完】ヒミツの恋を君と。
桃佳の家に向かう電車の中、隣同士で座席に座る。




電車の中でも桃佳は手を離さない。

もう泣いてはいないけど、その表情は完全にこわばったままで、下唇は強く噛み締めたまま。





怖がらせてしまった。





思わず唇に手を伸ばすと、桃佳がびっくりした様に噛み締めてた唇を離した。

その後、目をぱちぱちさせながら俺を見あげてる。





「あ…唇痛そうだったから……」





無意識の行動だっただけに、バツが悪くて一言だけそう言う。

桃佳は意味が分かったみたいで、ハッとした顔をして自分の唇に触れてから、顔を真っ赤にした。



それ以外何も話さないままで、
でも、手は桃佳に強く握りしめられたまま。



電車は数分後、プレシャスがあって、桃佳の家もある駅に着いた。

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