【完】ヒミツの恋を君と。
「しかし分からねぇな。なんであいつのこと殴り返さねぇの?お前なら負けねぇだろ?」





店長がアザになってるところに、わざとシップを乱暴に貼りつけながらそう聞いてくる。

痛みで顔を歪めながら、静かに答えた。





「俺は、あいつに嫌な思いたくさんさせてるから、殴られても文句は言えない……」





ボソッと呟いた俺の言葉に、店長はまた「バカな奴だ…」と苦笑した。









祐樹と出会ったのは小学6年の時。



あの頃のあいつはひたすら元気で、いつもニコニコ笑ってるクラスのムードメーカ的存在の奴だった。




当時、その学校に転校してきたばかりの俺はすでに、ボサボサ頭に眼鏡をかけて存在を消していた。


そのせいもあって、クラスでは変わった奴。と言われてたけど、祐樹だけは俺に普通に話しかけてくるそんな奴だった。



< 260 / 499 >

この作品をシェア

pagetop